いらんこと記

いらんことをする人です。

止めたら終わり。

母に「あんたは苦労している」と言われて心底びっくりしたのだけど、仕事の面でいえば苦労しているかもしれない。とはいえ、すべて自分で選んだ道なので自業自得。

わたしは大卒後、正社員とフリーランスをほぼ交互に繰り返してきた。やりたくない職に就いた覚えはないけど、正社員で入った会社を辞めたのは、それぞれ理由がある。

辞めた後にフリーランスを選んだのは、やっぱり楽だったから。主に人間関係のストレスと激務がなくなり、適当な時間に起きる毎日。でも、フリーになると自己管理が甘くなってあっという間に破綻。結局、いつもお金がなくなると正社員に舞い戻り、なんとか東京ひとり暮らし生活をしのいできた。

金銭面と共に自分を正社員へと駆り立てたのが、年齢からくる焦り。転職年齢=35歳限界説、女性で括ると30歳限界説などが巷にはあった。現実のわたしが33歳のとき、志望する職は「20代後半でも厳しい」と言われていたこともある。「フリーはいつでもなれるけど、正社員になるなら今しかない!」……毎度そう思って焦っていた。

結果からいえば、年齢なんてまったく関係なかった。自分がいちばん年上という環境もあったけど、元来の頼りなさで下っ端感がますます醸造され、実年齢に関係なく馴染んでいた(たぶん)。

 

結婚の話題も同様。40代の結婚率で調べると絶望的な数字を叩き出しているけど、わたしは41歳で結婚した(結婚式を挙げた)。

30歳と35歳頃は焦りまくっていて、お手軽なネット婚活をやったことがある。Aさんとは待ち合わせ前に「髪型はおかっぱです」とメールしたら、「おかっぱという発言に絶望しました。キャンセルさせてください」と返信が来た。Bさんには「書く仕事をしています」と打とうとして間違えて「隠し事をしています」と送ったら、「興味ありません」と即レスが来た。

いちばん悲しかったのは、Cさんと待ち合わせをしたときのこと。直前までやり取りをしていたのに20分過ぎてもCさんは現れず、40分程待って帰った。帰りの電車に揺られていると、Cさんからメールが来て「実は行きましたが本当にごめんなさい」だと。わたしの顔面や外見をナマで確認し、恐れおののいて退散したのだ。素人め!

でも、そんなわたしでも結婚したのだから、確率なんてアテにならない。ちなみに婚活等ではなく出会ったので、人生は本当にわからない。

 

それからもう1つ。主に【フリーランスの女性ライターが、仕事をエサに男性担当者や編集者にセクハラ・パワハラをされたという話】。

よく目にするのだけど(だからこれは本当に起こっていて、辛い思いをしている女性ライターがいるのだろうけど)わたしの身には一度も起こっていない。むしろ「オレに近づくなよ!」と警戒されること、この上なし。

みなさん基本的には彼女や奥様を大事にしている旨、わたしにアピールして来られる。その最たる人物が韓国人のクライアントで、聞いてもいないのに何度、「オレは背が高くて細い女が好きだ」とアピールされたことか。仕事関係の間柄ではあれど、親しみを込めて(それが礼儀のような気がして)「オッパ」と呼び始めたのが悪かったのか。その頃からわたしに対する態度が硬化し、人手が足りないときや、めんどくさい案件しか振ってくれなくなった。ところが結婚したと告げた途端、めちゃくちゃ喜んでくれて一人称が「オッパ」になり、高額のお祝いを贈ってくれた上に楽しい仕事をたくさん振ってくれるようになった。

というわけで、【フリーランスの女性ライターが、仕事をエサに男性担当者や編集者にセクハラ・パワハラをされたという話】は、わたしにはまったく当てはまらない。【彼氏ができた・結婚したら仕事を振ってくれなくなった】という話も同様に。まあ、わたしがデブブスチビの三重苦だからかもしれないけど。

 

以上、3つの出来事を例に挙げて、最近よく思うこと。

影響力のある人物や識者の声、拡散されていくキャッチーな話に染まってはいけない。世の中には例外があるし、どこに“自分の”真実が隠れているかわからない。だから、考えること・実行することを止めてはいけない。そう思うの。